マンモグラフィ

マンモグラフィとは

マンモグラフィとは

乳房専用のX線検査で、板状のもので乳房をはさみ圧迫してレントゲン撮影を行います。圧迫して平たくすることで病変をより鮮明に写すことができ、それに加えて薄くすることで被ばく量を下げる効果も得られます。撮影は、上下と斜め方向から、左右を撮影するため計4回になります。なお、検診では斜め方向のみの撮影を行うケースもあります。
マンモグラフィは、乳がんの検診では最も信頼性の高い検査だとされております。乳がんの初期症状である微細な石灰化などを検出できるため、早期発見にも非常に有効です。

マンモグラフィの有効性

マンモグラフィの有効性

欧米では、マンモグラフィ検診が一般的に行われており、乳がんによる死亡率の低下につながっています。これは、日本人と比べて欧米人の乳腺は脂肪が多く、マンモグラフィによるしこりの描出が容易なことも一因になっているとみられています。 日本人は、欧米人に比べ脂肪が少なく、乳腺実質が多い高濃度乳腺(dense breast)と呼ばれる乳腺が多いため、マンモグラフィ検診による検診の問題点も指摘されていますが、やはりマンモグラフィによる検診が重要になります。
特に、カルシウムの沈着である石灰化に関しては、マンモグラフィでなければ発見が難しく、マンモグラフィの有効性が認められています。

マンモグラフィ検診施設画像認定とは

当クリニックは、2008年2月1日付けで、日本乳がん検診精度管理中央機構から「マンモグラフィ検診施設画像認定施設」の認定を受けました。マンモグラフィ検診施設画像認定とは、日本乳がん検診精度管理中央機構がマンモグラフィ検診の精度を高め、それを維持するために定めた認定制度です。撮影装置や実際に撮影された写真、撮影に要したX線の量などを評価し、検診に必要とされる基準をすべて満たした施設を認定施設とするものです。基準を満たすためには、撮影装置などの毎日の精度管理や、高い撮影技術が要求されます。

日本乳がん検診精度管理中央機構のホームページ

マンモグラフィの日常点検

午前の診療前に、マンモグラフィの画像評価をします。ファントムという乳腺に見立てた模型のようなものを実際に撮影、現像し、基準をすべて満たしているかの点検を行なっています。

  1. 一定の条件でファントムを撮影
  2. 現像し、ファントム内の基準点の濃度測定
  3. 模擬線維試料、模擬石灰化試料、模擬腫瘤試料を目視で確認

現像したファントム

精度の高い乳がん検診を行なっていくために、今後も質の高いマンモグラフィの維持に日々努めていこうと考えています。

マンモグラフィとエコー検査の違い

マンモグラフィは乳房を圧迫板ではさみ、薄く引き延ばしてレントゲン撮影する検査です。超音波(エコー)検査は超音波を出すセンサーを乳房に当てて、はねかえってくる音波を画像化し、乳房内部の様子を映し出す検査です。マンモグラフィとエコーには、それぞれに長所と短所があります。

乳腺のエコー マンモグラフィ
診断の方法 病変が黒く映ります
乳腺組織は白く、脂肪組織は黒く映るので、乳腺組織が豊富な乳房は白っぽい画像になり、黒い病変を見つけやすい
病変が白く映ります
乳腺組織は白く、脂肪組織は黒く映るので、脂肪組織が豊富な乳房は黒っぽい画像になり、白い病変を見つけやすい
適正 乳腺が発達した乳房を検査するのに適している
※年代による傾向であり、乳房の状態には個人差があります。
脂肪が発達した乳房を検査するのに適している
※年代による傾向であり、乳房の状態には個人差があります。
強み
  • 痛みを伴いません
  • 被ばくしないので、何度でも検査可能であり、妊娠中でも検査できます

 

  • 石灰化のある乳がんの発見に適しています
弱み
  • 石灰化の形状、範囲といった情報を見つけにくいです
  • 圧迫による痛みを伴います
  • 20〜30歳代の乳房は乳腺が発達しており、病変の検出が十分にはできない場合があります
  • わずかな量とはいえ、X線による被ばくがあります
  • 妊娠中は通常行いません

マンモグラフィの痛みについて

精密な検査結果を得るために、そして被ばく量を少しでも軽減させるために、マンモグラフィ検査では板状のもので乳房をはさみ、圧迫して薄くのばして撮影します。そのため、痛みを感じることがあります。圧迫される時間は数秒から長くても10数秒程ですが、痛みには個人差があり、乳房の大きさよりも乳腺の発達した人の方が痛みを強く感じる傾向があります。若い世代の方で乳腺が多い場合、マンモグラフィより超音波検査が有効なケースもあります。医師に相談して、ご自分に適した検査を受けてください。
なお、月経前の1週間くらいは乳房が張る時期で、痛みに敏感になることがよくあります。そのため、月経前に張り感や痛みのある方は、月経前は避けた方が良いでしょう。

マンモグラフィの被ばくについて

マンモグラフィはX線検査なので、放射線被ばくを受けますが、乳房だけというとても限定された狭い部分だけに行うため、白血病などが発生する危険性もありません。1回の画像の撮影で受ける放射線量は、東京からニューヨークへ飛行機で行くときに浴びる自然放射線(宇宙線)の量とほとんど変わりません。マンモグラフィ撮影によって早期乳がんが発見できることのメリットがかなり大きいため、被ばく量について心配される必要はありません。

料金表

検査内容 料金
マンモグラフィ検査(左右2方向の計4枚) 6,600円(税込)
乳腺超音波検査 4,280円(税込)
マンモグラフィ検査(左右2方向の計4枚)+乳腺超音波検査 10,780円(税込)
マンモグラフィ検査(左右2方向の計4枚)+乳腺超音波検査+甲状腺超音波検査 14,080円(税込)

※症状がある方、または乳がん術後あるいは乳房腫瘤等で経過観察中の方は、保険診療にて検査することができます。

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